夢を叶える街、東京。日本の首都であり、様々な企業の中枢にあるこの街では、その職業の技量や知識の強さや深さを計る為、実に沢山の人達が住んでいます。しかし、昔からこの街は“怖い街”とも言われ、沢山の上京者が挫折を味わい田舎に帰ってしまうというのもよくある話です。
 さて、そんな中、東京で働く看護師というのはどんな人たちなのでしょうか?
 東京には、先述した通り、その職業の技量や知識の深さを計る為に沢山の人達が訪れます。東京には、地方にはない最先端医療や新しいカテゴリーの仕事が数多く輸入されています。その為、それだけこの街に訪れる人達はキャリアアップを図って来る人達が多いといえるでしょう。

 しかし、ここで残念なのが、その数です。
 せっかく訪れたとしても、仕事量の半端なさや月給の低さから辞めてしまう人が、未だに数多くいらっしゃるといいます。なぜこんなにも必要な仕事でありながら、人材不足に陥っているのか。それは国家対策で行われている医療費の削減が原因だといわれています。その証拠に、日本の病院の73%が赤字。公私病院合わせての赤字は100床当たり月に約1261万円に上っているといわれています。
 病院で働くのは、医師、看護師の他に、様々な職種が存在し、厚労省が把握しているだけでも事務職合わせ約17種類あるのだとか。が、実際に病院で働いている職員167万人のうち医師は約11%に過ぎず、一番多いとされる看護師でさえも34%を切っています。医療事務などの資格がある事で事務職は9%ほど。職種の多様化があるのはいい事ですが、残念ながら「少しでも楽な方に」という考えから一番重要な医師に向く人が少ないといえるでしょう。
 そこで、政府が考えたのが医師や看護師養成の大学や専門学校の数を増やす事でした。ところが、これも思いもよらない結果に至ってしまいました。養成数は十分なのに、その需要があるにも関わらず雇用数が足りないのです。医療費削減の為に、病院での人材育成をしている暇などなく、人件費を削るため、職員の雇用数も抑えられてきた為だといえるでしょう。
 例えば、看護師の国家試験合格者数は毎年約4万人超えであるのにも関わらず、実際に勤務している看護師数は、一番若いとされる25~29才においても13.5万人。しかもそのうちのおよそ11人に1人が新卒で就職して1年以内に離職しているといいます。せっかく日本の医療技術は最高だといわれていても、残念ながらこれでは形無し。本当にどうにかしていただきたいですね。